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病気-6 病名確定
07.2.04
手術により大腸と小腸の癒着していた部分を取り除いたのと同時に、周囲のリンパ節の腫れている部分を切除したと医師に告げられました。その時の病名は「クローン病」、原因不明の難病の一種です。

この病名、いまいちピンときません。
「 大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患」という病気だそうです。患部を切除してしまった現在、痛みもなくなり実感がなくなった性でしょうか。頭の中に結構バイアスがかかっていたのだと思いますが。
このクローン病という病気、日常生活を送る上で一つ厄介なことがあります。食事制限です。脂肪類の摂取を控えねばなりません。天丼、とんかつ、ダメです。まだ点滴で口からは物を入れられない状態でしたが、考えると鬱陶しいことでした。

手術から2週間近くたったある日、病名が変わりました。
「切り取ったリンパ腺から悪性リンパ腫の反応があった」とのことで、病名は悪性リンパ腫に変更です。
「リンパ腫で腸が癒着して穴が空いたという事例は極めて珍しいですね。こりゃ学会に発表してもいいくらいだ」などと笑いながら言われると、こちらも何か良かったような気がしてきます。(実際にはそんなことはないのですが)
確かにリンパ腫なら食事制限はありません(本当はもっと大事なところ、治療方法の有無が大きな差なのですが、そんな知識は持ち合わせていませんでした) 。

病名が変わると治療方法が確定しました。
外科手術の傷が治り次第、内科に移動。内科の循環器系の担当医師に変わり、悪性リンパ腫の治療に入るのです。(またまた移動です!)
リンパ腫の治療では白血球がやられるため、傷(手術の)の治療と並行すると傷がいつまでたってもふさがらないとのこと。まずは傷口がふさがるのを待つという、極めて暇な入院生活を送ることになりました。

その傷口の回復にとって厄介な事態が持ち上がっていました。
手術後数日だったと思います。

夜寝ていると突然腹に痛みが走り、同時にドンという衝撃とともに、身体全体に電気が走ったように飛び上がったのです。
その後周期的に痛みと身体が持ち上がるようなショックが続きました。
看護婦が痛み止めを点滴に中に加えてくれ、しばらくは治まりましたが、薬が切れてくると再びドンという衝撃と痛みが走ります。不安と不眠の一夜でした。
原因は翌朝の回診でわかりました。傷口が化膿していたのです。
それから毎日、塞がりかけた傷口を再度広げて膿を出す作業が続けられました。それが痛いの何のって、脂汗が出るほどの痛みです。回診の医師が憎たらしく思えた日が何日あったか。
くっつきかかっている傷口を広げてイソジンで消毒。うがい薬で有名ですが、多分濃度が濃いものでしょう。
傷口を広げ、周りから押し出すように膿を出す。といってもそう簡単に奥の膿は出てこない。で、ピンセットなどを使って奥まで広げて押し出す、つまみ出す。これが非常に痛いのです。
毎朝11時は歯を食いしばって痛みをこらえる時間でした。
夜中の身体中に走る痛みが、朝の腹の中をつっつかれる痛みに変わったのでした。
もうお分かりですね、〔傷口が治らない=リンパ腫の治療に入れない〕ですから、私の入院生活はどんどん延びていきました。
結局いつまでたっても膿はなかなかなくならず、1ヶ月以上のプラスになりました。
その間後から入院してきた人が次々と退院していきました。同じように腹を切った人もいました。傷口が化膿しない人は2・3週間で退院でした。私は足掛け2ヶ月もかかったのに!
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